脳―大脳―大脳皮質―大脳辺縁系―海馬
海馬とは
海馬の定義・意味など
海馬(かいば)とは、大脳辺縁系の一部で、記憶・感情のコントロール・空間認識に関与する部分をいう。
海馬の位置づけ・体系(上位概念等)
大脳辺縁系
海馬は大脳辺縁系の一部である。
大脳辺縁系のおもなものとしては、次の2つがある。
- 海馬
- 扁桃体
海馬の目的・役割・意義・機能・作用など
記憶
海馬は、記憶を蓄え、定着させるうえで枢要な役割を果たす部位である。
なお、アルツハイマー型認知症では海馬が萎縮するという。
海馬の特色・特徴
ストレス
海馬や扁桃体はストレスと深く関わっている。
海馬の「敵」はストレスといわれており※、たとえば、うつ病の患者の脳では海馬の働きがかなり落ちてて、扁桃体の働きが高まりすぎていることが知られている。
※落ちた記憶力、回復させることは可能? 海馬の“鍛え方”とは | デイリー新潮 https://www.dailyshincho.jp/article/2016/12300559/?all=1
海馬のトレーニング・訓練
学習
「年をとると記憶が衰える」というのは俗説で、むしろ身体よりも脳は衰えにくく、海馬の細胞も使い方によっては維持される。
道をよく知っているロンドンのタクシー運転手の海馬を調べると、経験が多い人ほど海馬細胞が大きかった。
つまり、よく勉強している人ほど海馬を維持できる。
また、アルツハイマー型認知症の患者は海馬が萎縮しているが、逆に言えば、海馬を鍛えればアルツハイマーの予防にもつながる。
北品川クリニック 築山節所長、2016年
北品川クリニックの築山節所長は次のように言う。
「私は患者さんに“毎日、新聞のコラムを書き写してください”と言っています。言葉の論理性を確認するためです。年寄りはだんだんと“あの”とか“その”とか代名詞ばかり使うようになりますが、それを周りの人が補完している状況だと、脳の機能はどんどん落ちていく。そうならないために、自分の論理性を確保したほうがいいのです」
落ちた記憶力、回復させることは可能? 海馬の“鍛え方”とは | デイリー新潮 https://www.dailyshincho.jp/article/2016/12300559/?all=1
マインドフルネス
研究で、マインドフルネスによって脳の構造の変化、すなわち、海馬の容量が増え(つまり、海馬の働きがよくなり)、扁桃体が容量が減る(つまり、働き過ぎていた扁桃体が活動を落とした)という逆の変化が起こることが確認された。
つまり、海馬はストレスを受けると損傷し、うつ病などに繋がる可能性も指摘されているが、ストレスに蝕まれた海馬もマインドフルネスによって回復する可能性がある。
NHK Eテレ サイエンスZERO・選「新・瞑(めい)想法 “マインドフルネス”で脳を改善!」 2016年9月4日放送
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