斜位と斜視―斜位―症状―複視
複視とは
複視の定義・意味・意義
複視とは、ものが二重に見える症状をいいます。
乱視のようにダブって見えるというのではなく、見ているものが文字どおり2つになります。
片目ではものが1つに見えるのに、両目で見るとものが2つに見えます(両眼複視)。
ただし、白内障などのために片目だけでものが2つに見える単眼複眼もあります。
複視の現れ方
複視は1日中現れる場合と、1日のうち、たとえば夕方以降など疲れてきたときに現れる場合があります。
この場合、休憩して疲れが取れると、複視が軽減または消失します。
複視の原因・理由・要因
斜位
多くの人は、近視・遠視・乱視などの有無にかかわらず、多少の斜位(=視線・眼位のズレ)があります。
しかし、両眼視機能を獲得できていれば、両目でものを見るときはこのズレを自分で修正して正常な視線を保つことができます。
このズレを修正してくれるのが、眼球を支えている6本の外眼筋と呼ばれる筋肉です。
そして、この6本の筋肉はそれぞれ脳神経の支配を受けています。
したがって、目の筋肉または神経のどちかに何らかの障害が起こるとズレを修正できなくなり、複視が生じます。
筋肉の障害―調節力の衰え
視線・眼位のズレの量にはかなり個人差があります。
ズレの量が大きいと両眼視をするために1日中大きな視線の修正が必要となります。
若いときは目の調節力(両目の視線を合わせる力)が強いので、ズレは目立ちません。
しかし、眠気・疲れ、そして、加齢などにより調節力が弱まると、目に力を入れていないとズレが目立ってきます。
さらに、両眼視をして融像を保つこと自体が不可能となって、ものが二重に見えるようになります。
神経の障害―眼筋麻痺
眼球を支えている6本の外眼筋を支配している脳神経に何らかの障害が起こると、外眼筋が麻痺してその働きが低下し、複視が生じます。
これを眼筋麻痺といいます。
なお、突然複視が生じた場合には、脳神経に障害が起こった可能性があります。
白内障
皮質白内障(水晶体の周辺からトゲのように白濁する白内障)の初期症状では、暗くなってくると、ものが二重にダブって見えます。
『ためしてガッテン』2015年8月5日放送分
低血糖症
低血糖により複視が生じる場合もあります。
複視の治療等
治療
プリズム眼鏡
治療薬・薬物治療・薬物療法
眼筋麻痺については、その原因となる疾患に対する薬物療法による治療があります。
手術
自然治癒
複視は自然治癒する可能性があります。
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