神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―エンドルフィン
エンドルフィンとは 【endorphin】
エンドルフィンの定義・意義・意義
エンドルフィンとは、視床下部に付着している脳下垂体から分泌される神経伝達物質です。
エンドルフィンの位置づけ・体系
神経伝達物質には、アドレナリンやノルアドレナリンのように副腎髄質や交感神経から分泌されるもののほか、ドーパミンのように中枢神経(脳)から分泌されるものがあります。
このうち、エンドルフィンは、中枢神経(脳)から分泌される神経伝達物質です。
つまり、ドーパミンと同様、脳に含まれている物質ということになります(→脳内物質)。
エンドルフィンの役割・目的・機能と働き・作用
エンドルフィンの役割・目的・機能
エンドルフィンは、モルヒネに似た化学構造・作用を持っているので、脳内麻薬と呼ばれることもあります。
しかも、外部から取り込むモルヒネには、依存性・中毒性・習慣性という問題がありますが、エンドルフィンにはこうした問題はありません。
ただし、苦痛の段階を経なければ、エンドルフィンは効果的に分泌されません。
つまり、エンドルフィンは苦痛を和らげるために、人体で自然に生じる脳内麻薬といえます。
エンドルフィンの働き・作用
鎮痛作用
エンドルフィンには、鎮痛作用があります。
多幸感作用
GABAの抑制によるドーパミンの分泌
快感・幸せ感の正体はドーパミンです。
ただし、GABA(ギャバ)という物質がドーパミンを分泌するドーパミン神経系(A10神経系)のはたらきを抑制しています。
しかし、脳内麻薬とも呼ばれるエンドルフィンは、このGABAによるA10神経系の抑制を抑制します。
つまり、GABAによるA10神経系への抑制が効かなくなる、ということで、これによりドーパミンが無制限に分泌され、強烈な快感(多幸感と呼ばれます)を感じます。
セロトニンの分泌
また、エンドルフィンが大量に分泌されると、あわせてセロトニンも分泌され、多幸感(恍惚感・陶酔感)をもたらします。
長く走り続けると苦しくなりますが、それをがまんして走っていると、ある瞬間から突然苦痛がなくなり、気持ちがよくなるという、いわゆるランナーズハイと呼ばれる現象が知られています。
このランナーズハイの原因がエンドルフィンです。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 17 ページ]
- 神経系
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―アセチルコリン
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―カテコールアミン(カテコラミン)
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―カテコールアミン―アドレナリン
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―カテコールアミン―ノルアドレナリン
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―カテコールアミン―ドーパミン
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―セロトニン
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―セロトニンを増やす方法―一般
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―セロトニンを増やす方法―特殊
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―セロトニン―病気
- 神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―エンドルフィン
- 神経系―分類―中枢神経系(中枢神経)
- 神経系―分類―中枢神経系―ドーパミン神経系
- 神経系―分類―中枢神経系―報酬系
- 神経系―分類―末梢神経系
- 神経系―分類―末梢神経系―坐骨神経(座骨神経)
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ