神経系―単位―神経細胞―神経伝達物質―セロトニン
セロトニンとは 【serotonin】
セロトニンの定義・意味・意義など
セロトニンとは、大脳皮質の働きを抑制したり、自律神経のバランスをとったりして、心・精神の安定を図ってくれる神経伝達物質です。
精神安定剤とよく似た分子構造をもっています。
脳内で、トリプトファンという必須アミノ酸(食事により外部から取り入れる必要があるアミノ酸)から合成されます。
セロトニンの位置・産出場所など
したがって、脳内(→脳内物質)だけでなく、消化管(腸)や血液中にもあります。
セロトニンの働き・作用・役割・機能
抑制作用―心・感情・情動・精神の安定・鎮静(コントロール)
脳内のセロトニンは、アドレナリン・ノルアドレナリン(不安・恐怖・怒りといった感情に関係しています)やドーパミン(快感・快楽といった感情に関係しています)といったカテコールアミンを抑制する作用があります。
したがって、心・感情・情動・精神の安定・鎮静を図る、つまり、穏やかな気持にしてくれる効果があります。
催眠効果
セロトニンは、脳の松果体で、睡眠作用のあるメラトニンというホルモンへと合成されます。
したがって、催眠効果もあります。
脳血管の収縮
たとえば、偏頭痛は、頭の血管が過度に拡張することにより、まわりの神経が刺激されて起こるものと考えられています。
そこで、セロトニン受容体に作用して、拡張した血管を収縮する作用を有する薬(ゾーミックなど)を服用することで、偏頭痛(片頭痛)を抑えることができる場合があります。
セロトニンと関係・関連・連携する物質
ドーパミン
幸せ・幸福感
快感があるとき(楽しいとき)、ドーパミンが放出されていますが、その状態が続くと、ドーパミンは減少していきます。
したがって、快感(楽しさやうれしさ)は減少していくわけです。
ただし、セロトニンが十分にあれば、少ないドーパミンでも満足でき、心は平穏な状態になります。
苫米地英人氏は、ドーパミンとセロトニンについて、次のように述べています。
幸せとは、味気ない言い方をすれば、ただの脳内ホルモンの状態にしか過ぎません。ドーパミンとセロトニンが分泌されている状態です。
苫米地英人 『幻想と覚醒』 株式会社 三才ブックス、2010年、161頁。
依存症
しかし、セロトニンが不足していると、減少していくドーパミンの放出を増やそうとますます大きな快感を求めるようになります。
これが、いわゆる依存症(ギャンブル依存症や買い物依存症など)の状態です。
セロトニンに関する病気・疾患・症状・トラブル
セロトニンが不足したりすると、さまざまな心の病気等の原因になりうると考えられています。
次のページを参照してください。
セロトニンを増やす方法
セロトニンを増やす方法については、次のページを参照してください。
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