松果体―メラトニン
メラトニンとは 【melatonin】
メラトニンの定義・意味・意義
メラトニンとは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、脳内物質のひとつです。
メラトニンの働き・作用
生体リズムの調節作用
セロトニン(神経伝達物質)は、トリプトファン(必須アミノ酸)から合成されます。
このセロトニンは朝に太陽光を浴びることで増加します。
その後、暗くなると、セロトニンからメラトニン(ホルモン)が合成されていきます(つまり、セロトニンが減少し、メラトニンが増加する)。
こうして、メラトニンの分泌量は光刺激などにより調節されて、夜間に多くなり、生体リズム(概日リズム・サーカディアンリズム)を調節しています。
睡眠作用
ぐっすりと眠り、疲労を回復するには、メラトニンの分泌が不可欠です。
なお、メラトニンは不眠症の治療薬(睡眠薬・睡眠導入剤)としても市販されています。
もともと生体にあるホルモンなので、自然な生理的睡眠をもたらすとともに、依存症といった副作用も回避できると考えられているので、画期的な睡眠薬といえます。
抗酸化作用
メラトニンは、抗酸化作用もあります。
この作用により、有害な活性酸素を除去・消去してくれるため、生活習慣病や動脈硬化の予防、老化防止(アンチエイジング)、がん(ガン)予防に効果があります。
メラトニンの特色・特徴
メラトニンの抑制―光
メラトニンは光を嫌います。
夜間では100ルクス程度の明るさ(薄暗い照明)の室内照明によってもメラトニンの分泌が抑制されるとされています。
したがって、寝室の豆電球の明かりもメラトニンの分泌に影響を与えますので、照明は完全に消して寝室をできるだけ暗くして寝るようにしたほうがいいでしょう。
また、メラトニンは明るさだけでなく、青色光(ブルーライト。蛍光灯やPC・iPhone・IPAdの液晶画面の発する光)によってもその分泌が抑制されます。
したがって、寝る前の照明は白熱電球にし、またパソコン等のディスプレイを長時間見ることは避けるようにしたほうがいいでしょう。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 11 ページ]
- ホルモン
- 松果体―メラトニン
- 脳下垂体―前葉―甲状腺刺激ホルモン(TSH)
- 脳下垂体―前葉―成長ホルモン(GH・STH)
- 甲状腺―甲状腺ホルモン
- 甲状腺―甲状腺ホルモン―過不足
- 副腎―副腎皮質―副腎皮質ホルモン(コルチコイド)
- 副腎―副腎皮質―副腎皮質ホルモン―糖質コルチコイド―コルチゾン
- 副腎―副腎髄質―アドレナリン
- 副腎―副腎髄質―ノルアドレナリン
- 精巣―テストステロン
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ