換気障害―閉塞性換気障害―原因となる病気―COPD（慢性閉塞性肺疾患）

COPDとは

COPDの定義・意味など

COPDとは、肺の炎症により呼吸困難を起こす慢性の呼吸器疾患で、肺気腫や慢性気管支炎などの病気の総称をいう。

COPDの分類・種類

COPDは炎症の首座により、次の2つに大別される。

気腫型…気腫が多く見られる場合。従来の肺気腫
非気腫型…気腫がないかわずかな場合。従来の慢性気管支炎

COPDの別名・別称・通称など

慢性閉塞性肺疾患

日本語で慢性閉塞性肺疾患（まんせいへいそくせいはいしっかん）という。

たばこ病とも通称され、患者の80％以上は喫煙者である^※。

^※江波杏子さんが患った慢性閉塞性肺疾患は桂歌丸さんも…　別名が「たばこ病」の理由は？ (1/3) 〈週刊朝日〉｜AERA dot. (アエラドット) https://dot.asahi.com/wa/2018110200073.html?page=1

COPDの原因・理由・要因

日本呼吸器学会の『COPD（慢性閉塞性肺疾患）診断と治療のためのガイドライン第2版』によると、COPDの原因（同ガイドラインでは「危険因子」と表記）は、喫煙等の外因性危険因子と患者側の内因性危険因子に大別されている。

喫煙等の外因性危険因子

COPDはたばこなどの有害物質の長期吸入によって生じる肺の病気である。

江波杏子さんが患った慢性閉塞性肺疾患は桂歌丸さんも…　別名が「たばこ病」の理由は？ (1/3) 〈週刊朝日〉｜AERA dot. (アエラドット) https://dot.asahi.com/wa/2018110200073.html?page=1

COPD（慢性閉塞性肺疾患）―原因―外因性危険因子

患者側の内因性危険因子

COPDの位置づけ・体系（上位概念等）

生活習慣病

死よりも恐ろしい病気

COPDは肺の生活習慣病である。

よく、死よりもつらく恐ろしい病気といわれ、タバコの害として一番こわいものといえる。

COPDの症状・徴候・症候

息切れ・息苦しさやせき・タン

息切れ、息苦しさやせき、タンなどの症状がある。

これらの症状は、肺がダメージを受け、酸素を取り入れることができないために起きている。

また、COPDは、全身に影響を与える。

たとえば、動脈硬化や骨粗鬆症、歯周病などを併発しやすくなる。

胸部画像診断（ＣＴ）

COPDの治療・対策

COPDは、早期発見と禁煙、薬物療法で症状をおさえられるようになってきている。また、呼吸法や運動療法などで構成される呼吸リハビリテーションを実践することで、治療効果はさらに上がる。

禁煙

COPDの一番の対策は禁煙である。

スパイロメトリーにより軽症段階で早期発見し、禁煙により症状の進行を遅らせる。

COPDの指標である1秒量は年齢とともに非喫煙者でも年間30CC程度減るが、喫煙者の年間減少量は50～60CCと倍近くになる。

しかし、禁煙することで肺の機能が改善し、1秒量の年間減少量は健康な人と同じレベルに戻すことができる。

薬物療法

吸入薬を中心とした治療をおこなえば、1秒量1500CCで治療を始めた患者さんが、1年後には1700CCに改善することもめずらしくない。

呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーションは、COPDと診断された軽症から重症の患者まで、常に有効な治療として位置づけられている。

COPDの統計

次のページを参照。

COPDの統計

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