炭水化物
炭水化物とは 【Carbohydrates】
炭水化物の定義・意味など
炭水化物とは、糖質と代謝されない食物繊維とが一体になったものをいう。
炭水化物の具体例
炭水化物の位置づけ・体系(上位概念等)
3大栄養素
炭水化物(糖質)は、タンパク質、脂肪(脂質)と並ぶ3大栄養素のひとつである。
炭水化物の目的・役割・意義・機能・作用など
主食としてヒトの基本的なエネルギー源
炭水化物は主食として、脂肪とともにヒトの基本的なエネルギー源となる。
タンパク質もエネルギー源となるが、おもにヒトの身体の構成成分となる栄養素なので、通常はエネルギー源として使われることはほとんどない。
すなわち、食べ物から摂った炭水化物(糖質)は、小腸で、最小単位のブドウ糖(単糖の一種)にまで消化(分解)されて吸収される。
この消化・吸収されたブドウ糖が、血液を通して血糖(血液中のブドウ糖)として筋肉や脳に運ばれ、筋グリコーゲン(筋肉に一時的に貯蔵されたブドウ糖)・肝臓グリコーゲン(肝臓に一時的に貯蔵されたブドウ糖)とともに、エネルギー源や熱として利用される。
なお、炭水化物・脂肪・タンパク質のなかで、消化・吸収されてブドウ糖になるのは糖質だけである。
つまり、炭水化物はヒトの身体で次のような役割をはたしている。
1.運動代謝(運動時・筋肉)のエネルギー源―無酸素運動
運動代謝(運動時・筋肉)のエネルギー源は炭水化物と脂肪である。
しかし、炭水化物は、同様にエネルギー源となる脂肪と比べると、その消化・吸収が早く、血糖(血液中のブドウ糖)または筋グリコーゲン(筋肉に一時的に貯蔵されたブドウ糖)となって、即効的なエネルギー源となる。
具体的には、運動の強度が高いほど(つまり、無酸素運動)、そしてその時間が短いほど炭水化物の利用率が高くなる。
また、炭水化物はそれだけで燃焼するが、脂肪は炭水化物がないと燃焼しない。
つまり、脂肪をエネルギー源として使用するにも炭水化物が必要となる。
2.脳などの唯一のエネルギー源
しかし、通常、脂肪は基礎代謝(安静時。つまり、生命維持)のエネルギー源、炭水化物は脳のエネルギー源である。
炭水化物の栄養学的な主な役割は、脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋等通常はぶどう糖しかエネルギー源として利用できない組織にぶどう糖を供給することである。
日本人の食事摂取基準(2015年版)
つまり、炭水化物は特に脳などの唯一のエネルギー源であるということである。
脂質、さらにはタンパク質もエネルギー源とはなるが、脳などは炭水化物だけをエネルギー源にしていて、脂肪・タンパク質をエネルギー源にできない※ので、炭水化物は脂肪・タンパク質では代替できない必須エネルギー源といえる(→炭水化物の食事摂取基準)。
そのため、甘いものを食べると脳は幸せを感じる。
※ただし、身体には脂肪・タンパク質から血中にブドウ糖(またはその代替物)を供給する糖新生というメカニズムが備わっている。
なお、食後に一時的に増加したブドウ糖(食後の一時的な血糖値上昇)は、肝臓で合成されて、肝臓グリコーゲンというかたちで一時的に貯蔵される。
しかし、炭水化物は必須エネルギー源であると同時に、過剰に摂取すると健康に障害をきたす(糖尿病の直接的な原因となる)という両刃の剣のような存在なので注意を要する。
3.体脂肪として貯蔵
過剰なブドウ糖は、脂肪酸に合成されて脂肪組織に運ばれ、最終的には体脂肪としてエネルギーを貯蔵する。
したがって、炭水化物の摂取過剰は肥満・メタボリックシンドロームに通じる。
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